日本商工会議所、東京商工会議所から昨年12月「求められる『少数精鋭の成長モデル』への自己変革」と題したレポートが公表されています。
・中小企業が目下直面している最大の経営課題の一つは人手不足であり、あらゆる業種で、かつてなく深刻な状況を迎えているとし、昨秋の日本商工会議所の調査において、約7割(68%)の企業において、人手が不足していると回答している。
・厳しい人手不足の状況に、物価上昇が重なり、企業に対する賃上げの圧力も高まっていて、2023年度の賃上げを実施した中小企業の割合は、
全体の64%と6割となっているが、そのうちの6割(63.8%)が業績の改善を伴わない賃上げとなっていて、原材料費の高騰とコスト増が企業収益を圧迫する中、人材確保のためになんとか賃上げしている実態がうかがえる。
・都市部ではもはや最低賃金では人が採用できない、との声も大きい。
・人材確保のための競争は激化が避けられず、人手不足を採用で補うという考え方だけでは、問題は解決せず、新規採用に頼らない「打ち手」を考え、取り組んでいかなければならない、との主旨を記してあります。
そして、打ち手として、「3つのチャレンジ」を提案しています。
第1は、あらためて自社の仕事を見直し、ムダの排除やデジタル活用などによる「徹底した省力化」を図ること
第2は、省力化によって生み出された時間を活用して、従業員ひとりひとりの成長のための「徹底した育成」
第3は、「徹底した多様性」。女性、シニア、外国人材の受け入れにあたって、女性については仕事の育児などとの両立、シニアについては健康への配慮、外国人材については言語や生活習慣の違いへの配慮など、これらの課題に正面から取り組み、「多様な人材の活躍推進」と「多様で柔軟な働き方の実現」とに積極的な取り組みが求められること
以上3つのチャレンジです。
生産年齢人口の長期的な減少は避けられず、また、採用競争力においては、大手企業に比し相対的に中小企業は劣勢な立場におかれます。
「NOT TOO LATE」
はじめるに、決して遅すぎるということはない。
雇用・労働分野の課題は多いですが、柔軟に、スピード感をもって経営運営できる強みなどを生かして、「省力化」「育成」「多様性への対応」をキーワードに、できることを着実に進めていきたいです。